第67回 三浦賞
加藤航平(受賞作品『春に散る』監督:瀬々敬久)
監督:瀬々 敬久 製作:映画「春に散る」製作委員会 / 制作:ツインズ・ジャパン
1月5日(金)JSC(日本映画撮影監督協会)新年会にて、三浦賞とJSC賞の授賞式が行われました。
三浦賞を受賞した加藤航平さん、『春に散る』を監督した瀬々敬久さん、プロデューサーの星野秀樹さん、おめでとうございます!
三浦賞に副賞を出してくださったSONYさま小輝日文さま、三浦賞に華を添えていただきありがとうございます。
作品講評
加藤航平さんが三浦賞に値すると評価されたのは、高度な撮影設計から生まれた完成度の高い映像です。
具体的には監督が演出をした芝居に対して、俳優の顔の明暗、光の当て方、順光、サイド光、逆光、さらに瞳へのキャッチライトを巧みに使うことで、そのシーン、そのショットで観客に見てもらいたい俳優へ視線を巧みに誘導していきます。
これは照明の領分でないかと思われる方もいるかもしれませんが、撮影者が光を作れる適切なカメラポジションに入ることをしなければ、照明技師も意図した仕事が出来ません。これは事前での打ち合わせ、そして撮影中に撮影者と照明技師が密にコミュニケーションを取ることで、生まれた仕事といえます。
『春に散る』の映像は2人の男の物語を力強く表現し、安心して映画の世界に没入することが出来たと、審査員から高く評価をされました。
1列目、右から瀬々敬久監督、三浦賞受賞者 加藤航平さん、JSC理事長 浜田毅、2列目、御木三浦賞委員長、プロデューサー星野秀樹さん、三浦賞トロフィープレゼンター久保田肇さん。
「三浦賞」とは1956年(昭和31年)に制定され、名撮影監督であった故三浦光雄氏(1902-1956)の優れた功績を記念すると共に、同氏が新人育成に注がれた情熱を継承して、毎年優れた撮影技術を示した劇場用映画の新人撮影監督を顕彰するために設けられた賞です。